T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済み。その他キャリアや英語学習の情報も発信しています。

試験結果の分析

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

前回は私の試験結果の履歴について書きました。今回は科目ごとに何が合否の要因となったか私の反省点を書きます。

 

1. 簿記論

簿記論の1年目は市販のテキスト・問題集のみを使用した完全独学でした。税理士試験に対する覚悟が足りず、簿記検定の勉強の延長でなんとかなるだろうと甘く見ていました。税法と異なり市販の教材でも内容の理解の点では問題なかったと思いますが、完全に演習不足だったと思います。結果C判定で不合格でした。2年目は演習不足を補うため1月からTの資料会員になりました。私の経験からは、9月からTかOの講座を受講し多くの演習をこなすのが最も効率的ではないかと思います。

 

2. 財務諸表論

財務諸表論は年明けからTの講座を受講し1年目で合格することができました。1科目だけみると年明けからでも十分合格可能と思えますが、私は年明けからではなく9月から予備校の講義を受講することをお勧めします。財務諸表論では理論の理解と暗記が重要です。財務諸表論1科目であれば年明けからでも十分合格可能です。しかしながら、簿記論と財務諸表論は同時受験が最も効率が良いことを考えると、年明けに財務諸表論の理論に時間を取られすぎると簿記論の学習が疎かになります。簿記論と財務諸表論のバランスをとるためにも財務諸表論は9月から学習を開始し余裕をもって理論学習を進める必要があると思います。

 

3. 法人税法

法人税法の1年目は簿記論の2年目と重なっていました。働きながら法人税法と簿記論を学習するのは質・量ともに厳しいものでした。簿財を1年でクリアできず簿記論が残ってしまったことが法人税法の学習に大きな影響を与えたと思っています。

法人税法の1年目はTの基礎マスターコース(9-4月で試験範囲を1巡するコース)を受講しました。週2回の講義で働きながらでしたが、なんとかついていったとは思いますが、上級コースの論点や組織再編、グループ税制、連結といった後半の論点にまでは手が回りませんでした。6月の公開模試後にネットを調べるうちに後半の論点がその年の理論の本命の論点であることがわかり、そこから集中的に学習しました。本番でも集中的に学習したところが出題されましたので、自己採点はボーダー付近となり合格を期待したのですが残念ながら判定はAで不合格でした。理論はある程度間に合ったのですがその分計算の精度が十分でなかったのが不合格の原因と思います。

税法は基礎期、応用期、直前期と学習範囲を3巡する必要があると思います。そのため、1年で合格するためには年内基礎+上級コースを受講すべきと思います。ただし、基礎期の講義は週3回となるので働きながらカリキュラムに付いていくのは簡単ではありません。

 

4. 消費税法

消費税法の1年目は法人税法の2年目と重なっていました。法人税法の反省を生かし9月からTの年内完結+上級コースを受講しました。週1回の講義ですし年内は特に問題なく予備校のカリキュラムについていけました。とはいえ、年内は理解が追い付いているという程度で計算や理論暗記が完璧になっているような状況ではありませんでした。法人税法の不合格が判明して年明けからは消費税法法人税法の同時学習となりました。法人税法はAで不合格になっておりどうしても2年目で合格したかったので、法人税法を重視することとなり消費税法の学習が手薄となってきました。当時は、簡易課税の出題頻度が少なかったことから簡易課税については精度が低い状態で本番に臨みました。本番では今では主流となっている原則・簡易の2題形式で出題されました。簡易課税の計算問題はきちんと勉強していれば満点がとれるような問題でしたが、いくつか取りこぼしがありました。これ以外にも全般的に精度が低く自己採点通り不合格(B)となりました。捨てる部分があると合格は難しいというのが1年目の消費税法から得た教訓です。

 

5. 相続税法

相続税法は4科目合格後、仕事の都合などでしばらく期間が空いてから受験しました。1年目はTの年内完結+上級コースを受講しそれなりの完成度で本番に臨んだつもりでしたが、全般的な実力不足で不合格(B)となりました。2年目は年明けからTの上級コースを受講しました。1年目よりは実力がアップしている気はしていましたが、法人税法消費税法の2年目ほど突き抜けた感じがなく、こちら記事でも記載したとおり受験生のレベルの高さを実感しました。また、改正論点の一つを計算に関係ないマイナー論点だと自己判断して暗記を疎かにしてしまいました。答練でもべた書きで1度出題され、講義でも軽く解説された程度でした。本番ではその改正論点が出題され、その論点が解答項目とすら気づかずに試験を終えました。予備校の解答速報を見て愕然としました。計算は前年よりは出来たと思いますが、理論で大きな失敗をしており当然不合格(B)でした。

改正論点はどんなにマイナーだと思ってもきっちり暗記する必要があるというのが2年目の相続税法から得た教訓です。

 

6. 事業税

事業税はこちらの記事でも記載したとおり、どうすれば合格レベルに達するかよくわかりません。私が受験した時は現在の配点と異なり理論70点、計算30点でした。理論は速記試験で柱は分かるものの書ききれず、どの程度省略すればよいか分かりませんでした。計算は基本的には難しくないのですが2,3か所迷うところがあり、受験者数の少なさやレベルの高さを考えると、間違えるわけにはいきませんでした。

学習範囲は狭いものの、予備校のカリキュラムでも計算演習は不足し、どこが合格レベルかわからない科目との印象です。事業税を選択しない方が良かったのではないかと思います。

 

7. 国税徴収法

国税徴収法はコロナを機に最後5科目目のピースを埋めようと気合を入れて臨んだ科目でした。これまでの教訓を生かした集大成となりました。

国税徴収法は一般的にはボリュームが少なく年明けから学習を開始しても合格が可能といわれています。私はこれまでの教訓と絶対に1年で合格したかったため、9月からTの年内完結+上級コースを受講しました。これは成功だったと思います。国税徴収法の詳細はこちらの記事に記載していますが、想像していたより理論の量が多かったことと、理論間のつながりが強く年内で学習範囲を一巡することで理解が深まり理論暗記の余裕も生まれました。

しばらく出題されていなかった配当問題もしっかり学習しました。本番でも出題され、苦戦する受験生も多いようでしたが私は最終値まで合わせることができました。理論も自己判断をすることなく漏れなく暗記し、趣旨もテキストに載っているものは暗記し十分な準備をし、1年で合格することができました。

国税徴収法は計算こそありませんが、私のこれまでの受験経験の集大成となる結果になりました。

 

不合格となった科目はその原因を分析し、翌年の学習に生かして2年で必ず合格するということが重要だと思います。

 

今回はここまでになります。参考になればうれしいです。