T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済み。その他キャリアや英語学習の情報も発信しています。

第73回税理士試験出題のポイント発表

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

第73回税理士試験出題のポイントが発表されました。

令和5年度(第73回)税理士試験出題のポイント|国税庁

 

昨年までは10月初旬に発表されていましたが、今年は9月1日なのでだいぶ早くなりました。出題者は出題のポイントを決めてから試験問題を作成しているはずなので、これまで「出題のポイント」の公表までに2か月もかかっているのが不思議でした。税理士試験もここ数年で色々と改善されてきています。この点については別途記事を書きたいと思います。

昨年にこちらの記事でも書きましたが、出題のポイント」は出題者からのメッセージですので良く読んで今後の学習に役立てることをお勧めします。特に、2年目以降の科目は「出題のポイント」と実際の本番での解答を照らし合わせて何が足りなかった、解答がずれていなかったかを確認し、これらを意識して再度学習するのが合格への近道と思います。試験から1か月経たないうちに「出題のポイント」されたというは大きな改善点と思います。

 

1. 簿記論

今回の出題のポイントの中でちょっと面白いと感じたのは簿記論の出題のポイントです。計算問題は出題のポイントの記載が簡潔であることが多いのですが、昨年、今年と簿記論の第一問と第二問の記載が充実しています。第一問の問1で特殊仕訳帳という少し古い論点が出題されていますが、出題のポイントでは「(1)は精算勘定を知っていれば比較的簡単に仕訳を行うことができるが、精算勘定を知らなくても、「手形仕入」と「手形売上」の例がヒントとして示しているので、簿記に精通している者であれば、その場で理解し十分に解答できる内容となっている。また(2)については、通常の方法で仕訳を行い二重仕訳の消去処理を適切に行えれば、精算勘定を知らなくても(用いなくても)、残高試算表を導くことができ、正答を導出できるようになっている。」となっています。

出題者は受験生の多くが「精算勘定」の知識が不十分であるという実態を理解したうえで、簿記の知識や応用力を測るためにこのような問題を出題したということです試験で知らない事項が出題されたとしても、知っている知識を活用して解答することが求められています。このような点を頭に入れて学習する必要があるでしょう。

 

2. 財務諸表論

財務諸表論の理論の「出題のポイント」はあっさりしていますが、企業会計基準などに結論の背景が十分に記載されていますのでそれと同じということなのでしょう。こちらの記事でも書いていますが、企業会計基準や概念フレームワークは一度目を通して結論の背景を理解しておくのは有益と思います。

 

3. 税法

税法の理論の「出題のポイント」は全体的にそれなりの量の記載があってポイントが明確になっているように思います。「改正論点」、「実務での重要性」、「コロナを含む災害関連」が共通したキーワードと出てきています。これらは近年共通の傾向のようです。来年以降もこの傾向は継続すると思われますので、これらを意識した理論学習が重要となります。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。