こんにちは、T-アレックスです。
このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。
これまで私は、科目選択や税法への取り組み方にについて色々な記事を書いてきました。
社会人のための税法選択 - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税法1つ目の選択 - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
どの科目も1年目に全力を掛けろ - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税理士試験の自己採点後の科目選択 - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税理士試験の複数科目の勉強について - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
今回は、法人税または所得税を働きながら1年で合格するのであれば、1科目に集中すべきという話をしたいと思います。私は、所得税の受験経験はありませんが、予備校の資料や合格者の体験談からみて法人税と同じ考え良いと思います。
法人税の学習のポイントについてはこちらの記事も参照してください。
1. どのコースを受講すべきか
私は、税法(法人税と所得税に限らず)を合格レベルに持っていくには、試験範囲を3回学習する必要があると考えています。最初のころに学習した内容は、カリキュラムを終えるころには忘れてしまっているものも多いです。カリキュラムを3週して初めて知識が定着し、迷いなく素早く解答できるようになると思います。
TまたはOの年内完結+上級コースで、年内に全ての学習範囲を学んで1週目を終え、1-3月の上級コースで2周目、4月以降の直前対策で3周目とするのが合格のための年間の大まかな学習スケジュールとなります。1年目で上級、直前対策に出て来るマイナー論点までは抑える必要はありませんが、学習範囲を3周するためには年内完結+上級コースを受講すべきと思います。法人税・所得税の年内完結コースでは講義が週3回となるので勉強は大変です。
一方、3月までかけて1週目の学習を終わらせる基礎マスターコースは週2回の講義で、1周目の学習に時間を掛けることができ余裕があります。消化不良で講義が進んでいくというリスクを減らすことができるでしょう。基礎の学習が終了後すぐに直前対策のカリキュラムとなります。直前対策に入るまでに全範囲一通りの基礎が出来ていて欲しいですが、9-12月に学習した論点は忘れているものも多いでしょうし、組織再編やグループ税制といった終盤の難しい論点についての理解度は十分ではないでしょう。
9-12月の学習が大変であっても、1年で合格するには12月までに何としてでも1周目の学習を終え、その後何度も繰り返し知識を定着させるべきと思います。
2. 複数科目の学習は?
法人税・所得税の年内完結コースでは講義が週3回となるので、他の科目の勉強をしている時間はないでしょう。また、上級・直前対策になると週2回の講義に減りますが、その分1回あたりの学習範囲が広くなり、また内容も基礎論点に加えプラスアルファの部分が出てきますので、講義についていくのは大変となります。また、理論暗記にも時間を取られるようになります。法人税または所得税の1年目に、働きながら複数科目を勉強するのは現実的に難しいです。
3. 不合格科目をどうするか?
法人税・所得税は、簿記論・財務諸表論または他の税法受験後に学習を開始する人が多いと思います。これらの科目に無事合格していれば問題ありませんが、不合格であったときに科目選択をどうするか考える必要があります。私は、不合格科目は翌年は受験せずに法人税・所得税に専念すべきと考えます。
上でも書いた通り、法人税・所得税の1年目に複数科目を勉強するのは時間的に困難で、1年で合格する可能性が相当低くなります。
もし1年で合格できなくても、1年間しっかり勉強したのであれば、次の年に既学習の科目2つ同時に学習するのは可能と思います。不合格となった科目も1年ぐらいであれば取り戻せます。
もちろん、不合格目に集中し、法人税・所得税は翌年に回すという方法も考えられます。これにはメリットとデメリットの両方あります。メリットは、1度学習しているので翌年の基礎期の学習が楽になり理解度や定着度が上がるという点です。デメリットもあります。1度基礎期の学習を終えているので、翌年の基礎期の講義は簡単に思えるはずです。ここが落とし穴です、学習済みといっても1通り論点をさらった程度で合格レベルまでは程遠いです。基礎からしっかりやり直す必要がありますが、最初の頃の講義が簡単に思えるので基礎の学習が疎かになりがちです。これは2年目以降の受験生に陥りがちな失敗と同様です。
4. 私の反省点
私は、こちらで記載したとおり、法人税は受験2年目に学習しました。簿記論が不合格だったので、簿記論の2年目と法人税の1年目の同時学習でした。法人税の1年目はTの基礎マスターコースを受講しました。結果は、簿記論は合格、法人税は不合格でした。法人税は2年目に合格しました。
簿記論は計算だけで理論暗記がないので、法人税と同時でいけるだろうと思っていましたが甘かったと思います。簿記論は2年目では絶対に合格したかったのでその学習に相応に時間がとられ、法人税が疎かになってしまいました。また、予備校の基礎マスターコースではとても間に合わないとも実感しました。1年目の公開模試の理論で組織再編が出題されました。条文が問題に書いてあるという親切な問題だったものの、全くできませんでした。公開模試後、集中的に当時本命の論点と言われていた組織再編やグループ税制の学習をしました。本番の試験でも出題されそれなりに良い手応えであったものの、A(50-59点)で不合格となりました。
簿記論との複数科目の受験は無謀であったのと、年内完結コースを受講すべきだったというのが結果からみた私の反省点です。法人税の学習以前に、簿記論に1年で合格できなかったということが税理士試験全体を通じた最も大きな反省点です。
法人税・所得税は税理士試験のヤマ場です。簿記論、財務諸表論と法人税または所得税まで合格できればゴールまでの道筋がだいぶ見えてくるのではないかと思います。
今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。