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カランメソッド効果と費用

こんにちは、T-アレックスです。

 

2023年7月末にQQイングリッシュでカランメソッドの受講を開始し、2024年11月にStage12まで完了することができました。今回、カランメソッドの効果やメリット・デメリットなどをまとめて書きたいと思います。この記事にプロモーションは含まれていません。

 

1. カランメソッドとは

(1) レッスンの特徴

カランメソッドとは「英語に英語で反応する訓練」を徹底的に反復するように設計された英語学習法です。レッスンの特徴は以下の通りです。

  • 教師は質問文を2回言い、即座に回答します。
  • 回答は必ずフルセンテンスかつ、省略形を使います。
  • 質問と回答は、Yes/Noの選択やごく一部の名称を答えるものを除き、答えが決まっており自由回答の余地はありません。
  • 教師は発音や文法のミスをすぐ指摘します。
  • レッスンは全て英語で行われ、本人の現在のレベルに関係なく、教師はネイティブに近いスピードで話します。
  • レッスン中はリーディングを除きテキストは使用しません。

カランメソッドの公式な説明については、こちらをご参照ください。

(2) レッスンの進み方

レッスンは初回を除き、①前回レッスンの復習(Daily Revision 40-50問)、②New Workと進み、一定程度進むとReading LessonやDictation行います。

さらにStage1-10は2 Stage終了ごとに2 Stage分の全部の質問と回答を通しで復習する総復習(Full book Revision)があります。Stage11、12は1 Stage終了ごとFull book Revisionを行います。

 

2. 期待できる効果、期待できない効果

(1) 期待できる効果

カランメソッドは、「英語に英語で反応する訓練」するメソッドで、次の効果が期待できます。

① リスニング力の向上
カランメソッドでは教師はネイティブに近いスピードで話しレッスン中はテキストを使用しないため、教師の言っていることを集中して聞き取る必要があります。このため、質問と回答は決まっているとはいえ、教師の質問を的確に聞き取らないと正確な解答をすることができません。カランメソッドの受講を継続することでリスニング力が着実に向上します。

② スピーキング力の向上
カランメソッドでは早いスピードで教師の質問に回答していくため25分のレッスンでもかなりのアウトプット量となります。レッスンを継続すると英語を話すスピードは速くなりスピーキング力が向上します。

③ 英語の瞬発力の向上
カランメソッドのレッスンのスピードはとても速く、日本語を介している時間はありません。その結果、レッスンを継続することで英語に英語で反応する瞬発力が向上します

④ フルセンテンスで答える習慣の獲得

カランメソッドでは質問に対し単語のみで回答することは許されておらず、全てフルセンテンスで回答する必要があります。テキストに記載通りの回答をしますが、フルセンテンスで答える習慣が身に付きます。

⑤ 正しい文法で話す習慣が身に付く
カランメソッドではフルセンテンスで回答する必要があり、また、教師は文法のミスをすぐ指摘するため、正しい文法で話す習慣が身に付きます。ただし、文法学習もカランメソッドに組み込まれていますが、文法自体は別途学習が必要と思います。

⑥ 英語のリズムとスピードの体得

カランメソッドは少しでも回答に詰まると教師が回答をリードするので、速いスピードでレッスンが進んでいきます。レッスン外の復習でもオーディオを用いて速いスピードで回答する訓練をすることになります。その結果、英語のリズムとスピードを体得することができます。

 

(2) 期待できない効果

カランメソッドには上述の通り色々な効果が期待できる一方で期待できないこともあります。どの学習方法でもメリット・デメリットがあり、カランメソッドも例外ではありません。

① 自然な会話力

カランメソッドはアウトプット量が多いとはいえ、あらかじめ決まった短い文章(長くても2-3行)を反復する学習方法です。そのため、一つの事柄に対して色々な質問をして話題を膨らませたりするといった会話力の向上は期待できません。

② 英文法

カランメソッドでは英文法の学習も組み込まれています。英語で直接話法と間接話法の違い、現在完了形の使い方などを学び、それらに関する質問と回答が用意されています。しかしながら、カランメソッドだけで英文法をマスターすることは難しいでしょう。英文法は別途学習する必要があります。

③ 細かい発音

カランメソッドでは、発音のミスを教師が即座に指摘することになっていますが、細かい発音の違いについては指摘されません。

 

3. お勧めできる人お勧めできない人

カランメソッドは「英語に英語で反応する訓練」に特化した特徴的なメソッドで、お勧めできる人とお勧めできない人がいます。まずは、お勧めできない人を書きます。

(1) お勧めできない人

① 英語初級者
カランメソッドはレッスンがかなりのスピードで進んでいくので、英語初級者にはお勧めしません。Stage6あたりから文章も長くなりかなりつらくなってきます。TOEICで700点程度はないとついていくのは難しいのではないでしょうか。

② 語彙が少ない人

これも①と同様ですが、カランメソッドではStageが進むにつれてどんどん出てくる単語や句動詞が増えていきます。New Workで出てくるたびに英語での解説と質問・回答が組み込まれています。初見の単語や句動詞を英語の解説で理解するのは難しく、ある程度語彙力がないとレッスンが進まず、挫折しやすいと思います。

③ 英文法の知識が不十分な人

英文法の学習もカランメソッドに組み込まれていますが、単語と同様、カランメソッドのみで理解するのは難しいです。高校の基礎レベルの英文法は習得していないとカランメソッドを継続するのは難しいと思います。

④ 英会話を楽しみたい人
カランメソッドは反復練習のためのメソッドで、会話のキャッチボールを楽しんだり向上したりしたい人には向いていません。

⑤ 反復練習を嫌う人

カランメソッドはスポーツでいう基礎練習の反復や筋トレに該当します。地味で単調な繰り返しといった側面があります。基礎的な反復練習は継続するといずれ大きな効果となって表れますが、その継続は簡単ではありません。反復練習を嫌う人にはカランメソッドは向いていません。ただし、英語力を向上されようとすれば、カランメソッドでなくともどこかで基礎的な反復練習をする必要があります。

 

(2) お勧めできる人

① 英語中・上級者
英語中・上級者で英語力が伸び悩んでいる人には効果的なメソッドだと思います。テストのリスニングであれば何とか聞こえる、ゆっくりとしたプレゼンなら意味がとれるが、早い会話についていけない、といった課題を感じている英語中・上級者には効果的と思います。

② フルセンテンスで長く話したい人

カランメソッドではフルセンテンスで回答することが要求されるため、単語のみでの会話から脱却し、フルセンテンスでしっかりとした会話ができるようになりたい人にはお勧めです。

③ 正しい文法で話したい人

カランメソッドでは文法の間違いをすぐに指摘するため、正しい文法で話したい人にはお勧めです。特に、仕事で英語を使う人にとっては、正しい文法で話すことは重要だと思います。

④ 反復練習を厭わない人

上述の通り、カランメソッドはスポーツでいう基礎練習の反復や筋トレに該当します。地味で単調な繰り返しといった側面があります。基礎的な反復練習は継続するといずれ大きな効果となって表れます。その効果を信じて長期的に継続することを厭わない人にはカランメソッドは向いています。

 

4. 効果的な受け方

(1) カランメソッド受講前

カランメソッドの受講前に高校基礎までの英文法は学習しておいた方が良いでしょう。また、英単語と句動詞もTOEIC700点、英検2級程度のレベルまでは事前に学習しておいた方が良いです。

(2) レッスンの頻度

カランメソッドは反復練習がキーとなっており、間隔を空けずにレッスンを受講するのが効果的です。イギリスのカラン機構は1日50分(25分×2)×5日=10回/週を推奨しています。後述する復習する時間を含めると1レッスンあたりレッスン時間の倍の学習時間が必要となります。カランメソッドのみに1日2時間を費やすのは難しい場合でも、1日1レッスンは受講した方が良いでしょう。

(3) 復習

カランメソッドでは復習が重要です。公式のオーディオブックを使って質問と回答の練習をします。Daily Revisionで教師のリードなしで回答できるようになるまでしっかりと練習します。これにより英語の瞬発力が鍛えられます。また、Daily Revisionの時間が短くなることでNew Workに掛けることのできる時間が増え、進みが早くなります。10-12分でDaily Revisionが終わるようしっかりと準備します。進捗が悪いと費用も掛かりますし、モティベーションも下がります。

(4) 単語と英文法

単語と英文法については、カランメソッド受講前に一定程度のレベルにあげておく必要があります。その上で、新たに出てきた単語や句動詞、理解が不十分な英文法はしっかりと復習して身に付ける必要があります。

(5) Daily Revisionの受け方

カランメソッドで重要なのがDaily Revisionです。レッスン前に練習するとはいえ、40-50個の文章全てを暗記するのは現実的ではありません。質問文を繰り返すところや時制、冠詞、単数形・複数形などは、先生の質問を聞き取って間違えずに回答しましょう。これにより、リスニング力と正しい文法で話す力が付いてきます。

(6) 先生の選び方

QQ Englishはカランメソッドに力を入れているということもあり、先生によるばらつきはほとんど感じませんでした。先生によって回答を待ってくれるタイプかどんどんリードするタイプかという違いはありました。好みの先生を見つけて受講すればよいと思います。

(7) 他の学習

① 発音

英語のリズム・スピードについてはカランメソッドを通じて自然と向上することが期待できますが、細かい発音についてはそこまで先生に指摘されないので、自分で学習する必要があります。発音記号やフォニックス、単語ごとの発音、リンキングやリダクションなどは別途レッスンを受講したり、アプリやYouTubeで学習したりするなどして補います。

② 会話力

カランメソッドは定型文の反復練習となるため、自然な会話力はつきません。英会話をする機会を別途設ける必要があります。カランメソッドの効果を実戦で確認するという意味もあります。他の英会話のプログラムを並行して受講してもいいと思います。英会話をする環境があるのであればレッスンを受ける必要はないかもしれません。

 

5. 私の学習スタイル

私は、平日は1日1レッスンで週4日、週末は1日4レッスン受講し、週12レッスン受講しました。レッスンの直前に25-30分かけてオーディオで復習をしました。レッスン時間と同じ程度の時間をカランメソッドの復習に費やしました。

その他の学習としては、ELSA Speakを使った発音練習、YouTubeを使ったオーバーラッピングを行いました。他の英会話プログラムは受講しませんでした。私は海外赴任中で日常的に会社で英語を使っており、実践の場は沢山ありました。カランメソッドに集中して早く英語の瞬発力を高めたいという思いが強かったです。早くカランメソッドを完了したいというせっかちな面もあったと思います。

前述のとおり、QQ Englishは教師の採用基準が厳しいということもあり、先生によるばらつきは感じませんでした。基本的に50ポイントの先生を選んでいました。私は色々な発音に対応したいと思い、あえてあまり先生を固定せずに色々な先生からレッスンを受けました。私は先生に私が回答できる間はリードせずに待って欲しく、回答に詰まったときにはすかさずリードしてほしいので、そのようなタイミングが合う先生を20人程度お気に入りに登録していました。お気に入りの先生が予約できず、新人の先生となった場合でも、どの先生もレッスンはスムーズでした。

 

6. 完了までの期間と費用

(1) 完了までの期間

① レッスン数

Stage12までに受講したレッスン数は692回、時間は288時間20分でした。復習にレッスン時間と同じ時間は掛けているので総学習時間は576時間40分となります

QQ Englishの「よくある質問」にあるStage1-12完了までのレッスン数の目安は旧版で645回、新版で745回です。私はStage2から開始し、Stage2-8が旧版、Stage9-12が新版なので合計するとレッスン数の目安は665回です。27回余分に掛かっています。Daily Revisionは毎回10-12分で終わっているので、大幅短縮は難しいのではないかと思います。

② 受講期間

受講期間は1年4カ月でした。週12レッスンとハイペースでレッスンを受講していますのでかなり早い方ではないかと思います私は色々な先生のレッスン受講しており、2,3か月振りにレッスンを受けた先生に、前回受講時からの進みが早く驚かれたことが何回もあります。

カラン機構が推奨する週10レッスンとQQ Englisのレッスンの目安665回(Stage2-12、旧版・新版調整後)で目安の学習期間を計算すると66.5週(1年3-4か月)なのでほぼ同じ期間だと思います。

③ 費用

掛かった費用は、月会費が168,700円、追加ポイント代が105,460円、テキスト代が21,120円の合計295,280円でした。1カ月あたり18,455円(=295,280円/16)、1レッスンあたり426.70円(=295,280円/692)でした。

私は1レッスンあたり500円以下、月20,000円以下というのは効果を考えると十分に安いと思います。金額の多寡はその人の収入や金銭感覚によるので何とも言えません。

 

(2) ネイティブキャンプ

カランメソッドでQQイングリッシュのほかに有名なオンラインスクールとしてはネイティブキャンプがあります。私はネイティブキャンプでカランメソッドを受講したことはないので詳しい比較はできません。ネイティブキャンプも1レッスン25分で、ネイティブキャンプの公式サイトによると12 Stage完了までのレッスン数は約480回となっています。QQイングリッシュとはレッスンの進め方が大分違うようです。

 

7. QQイングリッシュのメリット

最後に、QQイングリッシュのメリットについて書きたいと思います。私は他のオンライン英会話スクールのレッスンを受けたことはないので他のスクールとの比較ではありません。

(1) 予約システム

カランメソッドは基礎の反復練習なので「習慣化」することが重要ですQQイングリッシュでは2週間先まで予約ができるので、予定を決めて強制的にレッスンを受ける状態にすることができます。また、レッスンのキャンセルは12時間を切ると全額ポイントが没収されますので、無料で直前に急にキャンセルすることはできません。疲れていたりやる気が出なかったりしてもレッスンを受ける強制力が働きます。もちろん、予定が立てづらい人にはデメリットにもなりますが、私は「習慣化」のためにはメリットだと感じました。

(2) 講師の質

QQイングリッシュは全員フィリピン人講師で、欧米の講師はいません。私は50人以上の先生からレッスンを受けましたがどの先生もきちんとしたレッスンを提供してくださり、いわゆる「外れ」はいませんでした。講師の質は高く安心してレッスンを受けられる思います。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。