T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済み。その他キャリアや英語学習の情報も発信しています。

2025年第75回税理士試験の感想(簿記論・財務諸表論)

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

2025年の税理士試験が8/5~7に実施されました。受験された皆様お疲れ様でした。試験の感想を24年はこちらこちらの記事、23年はこちらこちらの記事、22年はこちらの記事を書いています。今年の試験問題が資格試験として適切かという点について個人的な意見を書きたいと思います。理論と計算は問題の質(「良」、「妥当」、「悪」)と量(多すぎ、妥当、少なすぎ)、全体の資格試験としての適切性の感想を★~★★★(「不適」、「いまいち」、「適切」)の3段階で書きます。

 

1. 簿記論

今年も個別論点の大問2題と総合問題1題という形式でした。第一問が純資産会計の1問形式で自己株式、転換社債型新株予約権付社債圧縮記帳、その他有価証券、繰延資産、純資産及び分配可能額と幅広い項目が出題されました。第二問が吸収分割とストック・オプションの2題が出題されました。第三問は例年通り総合問題でした。

 

予備校

ボーダー

確実

T

55

65

O

55

62

(1) 難易度

第一問の純資産会計はボリュームが多く、推定の要素も絡んでおり難しい箇所もあったようですが、資料は比較的整理されていて基礎的な問題もあり、難易度は「標準」と思います。

第二問の問1の吸収分割は精算表という見慣れない出題形式で難易度は「やや難」、問2のストック・オプションは「やや易~標準」だと思います。

第三問は前期末及び当期末の閉鎖残高勘定や決算整理事項等の資料をもとに、当期末の閉鎖残高勘定及び当期の損益勘定に計上される各金額を算定する問題で、見慣れない問題形式でした。比較的平易に解答できる箇所もあったようですが、本番の試験で初見の問題形式が出題されたため、問題の取捨選択が難しかったのではないかと思います。難易度は「やや難」と思います。

(2) 分量

今年も全体的に資料の分量が多く、例年通り、時間内では解き終えることができません。また、第二問問1や第三問で見慣れない形式での出題がされており、例年より問題の取捨選択が難しく、かつ、カギとなっています。

(3) 総合評価

【計算】

問題の質:妥当

問題の量:多すぎ

【全体】★★(いまいち)

 

例年通り、問題の取捨選択をして素早く解答することが求められています。今年は見慣れない形式での出題があり、初見の問題形式に戸惑わず、いかに解答できる箇所を拾っていくかが重要でした。

初見の形式の問題に対応するには、仕訳や各処理の意味やつながりをしっかり理解することが大事だと思います。個別の問題自体には解答しやすいものも多数あり、実力差が出易い問題だったと思います。

 

問題自体の質については、標準的な問題も多く、全体的には「妥当」な範囲内と思います。

問題の量については、試験時間に対する問題量の多さは依然として問題だと思います。初見の問題形式の方がパターンに頼らない分、実力差が出易いと私は考えています。しかしながら、やはり問題量が多すぎて問題の取捨選択で合否が決まる面が大きいです。問題間の難易度と分量を調整して、2時間で解ききれる分量にすべきです。

全体的な試験問題の質は3段階(★★★「適切」、★★「いまいち」、★「不適」)で「いまいち」というのが個人的な評価です分量がもう少し調整されていれば「適切」だったと思います。

 

2. 財務諸表論

予備校

ボーダー

確実

T

75

85

O

63

71

 

今年も理論2題と総合問題での計算1題という形式でした。理論は第一問が概念フレームワーク、資産除去債務と収益認識基準、第二問が退職給付会計とソフトウェアに分かれており理論は5論点の出題がありました。

(1) 難易度

理論については、全て頻出の論点でかつ基礎的な問題が多く出題されており「易」だと思います。

第三問の計算は、標準的な問題が多く、昨年と異なり分量も多くなく、難易度は「易」だったと思います。

(2) 分量

昨年の財務諸表論は計算の分量が多かったのですが、今年は元に戻っています。おそらく合格者であれば2時間で解ききれる分量だったのではないでしょうか。分量は「妥当」と思います。

(3) 総合評価

【理論】

問題の質:良

問題の量:妥当

【計算】

問題の質:良

問題の量:妥当

【全体】★★★(適切)

 

今年の財務諸表論の試験は、難易度は易しく分量も適切であったため、全体的に易化しています。昨年8%と低かった合格率が今年どこまで高くなるか次第ですが、ボーダーは高くなると予想されます。TとOでボーダーが割れていますが、合格率の読みの違いもあるのではないかと思います。

今年は問題も平易かつ分量も適切であったため、しっかりと学習した人が順当に高得点を獲得できる良問だったと思います。初学者でも十分高得点を取ることが可能だったでしょう初学者の多い財務諸表論であれば、このぐらいの難易度・分量で十分差がつくと思います。税理士試験の問題としてかなり良問だったと思います。

 

税法の試験の感想は別途書きたいと思います。今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。