こんにちは、T-アレックスです。
2023年7月31日に文部科学省から全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。
令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書 中学校 英語:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
今回は初めて中三の英語に「話す」の試験がありました。ヘッドセットがどうとかシステムに慣れていないところはあったようですが、そこは初回なのでしょうがない面はあります。その点については私は特に触れません。日本の学校教育では英語を話すことが出来ないことは皆分かっていますが、これを改めて可視化したものとなります。
設問は5問でうち4問はイラストによる誘導もあり比較的短い文章で答えられる問題でした。最後の1問はプラスチックバック(日本でいうビニール袋)に関する意見を述べるものでした。
平均正答数0.6問/5問、中央値0.0問、標準偏差1.0問で、半数の人は正答ゼロ、84%の人が正答1問以下という結果です。
4問目までは中学までに学習した内容で十分解答可能だと思います。テストの会話文がYutubeで公開されているので私も聞いてみました。会話自体かなりゆっくりです。中学生の英語能力を測るテストとしは適切もしくは易しい問題だったのではないかと思います。批判している人は公開されている問題を確認もせずに批判していのは明らかです。
もちろん、小学校・中学校の英語の授業で「話す」能力を向上させるような授業は十分に行われていないので、この結果は想定通りと思います。皆が漠然と思っていたことを実際に数値として可視化したことにこのテストに意味があると思います。
問題が難しいとか正答率が低すぎるとかいう批判は全く意味がありません。これ以上易しくしたら実態把握としての意味がなくなります。
報告書に書かれている各設問の課題は以下の通りです。
(1) 基本的な表現を理解して、即興で伝え合うことができるようにする
(2) 基本的な文法事項を理解して、即興で伝え合うことができるようにする
(3) 対話を継続・発展させるために、関連する質問をすることができるようにする
(4) 聞いたことを基に自分の考えとその理由を述べ合うことができるようにする
(5) 聞いたことを基に自分の考えとその理由を話すことができるようにする
私は良く練られた問題だと感じました。今の日本の英語教育の内容や英語を話さなくても生活に困らないという環境の中で、英会話力の向上にどのこくらい時間やお金をかけるべきかという議論はあるにしろ、今回のテスト内容自体は批判されるようなものではないと思います。
私も学校の英語教育では英語をある程度読み書きは出来るようになったものの、聞く・話すという能力はつきませんでした。この点については別途機会があれば書きたいと思います。
今回はここまでとなります。