こんにちは、T-アレックスです。
このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。
こちらの記事でスタディングの簿財について記事を書きました。今度は税法について私の感想を書きたいと思います。
1. 記事の前提
記事を書くにあたり私の立ち位置を再び明確にしておきたいと思います。
- この記事はプロモーションではありません。読んだ人がスタディングを受講しようがしまいが私には一切の金銭的なメリットはありません。
- 一部のサービスは私が受験時代にすでに始まっていたかもしれませんが、私はどの税法でもスタディングを使ったことはありません。
- 私はスタディングの講座を受講したわけではありません。公式サイトやYouTube、合格者の声などを参考にした個人的な見解です。
- 私の税法の学習履歴は、以下のとおりとなります。
年数 |
科目 |
学習方法 |
受講料 (2024年現在) |
結果 |
2 |
T ベーシック Web通信 |
235,000円 |
× |
|
3 |
T 12月上級 Web通信 |
165,000円 |
〇 |
|
3 |
消費税 |
T 基礎+上級 Web通信 |
155,000円 |
× |
4 |
消費税 |
T 12月上級 Web通信 |
105,000円 |
〇 |
4 |
事業税 |
T 1月速習 Web通信 |
105,000円 |
× |
5 |
事業税 |
T 12月上級 Web通信 |
105,000円 |
× |
6 |
T 基礎+上級 Web通信 |
250,000円 |
× |
|
7 |
T 12月上級 Web通信 |
165,000円 |
× |
|
8 |
国徴 |
T 基礎+上級 Web通信 |
155,000円 |
〇 |
受講料は2024年現在の価格で当時の価格ではありません。(記録していません。)日本のインフレは大したことないのであまり変わらないでしょう。合計144万円です。結構かかっています。法人税と消費税が合格までに2年掛かった、事業税と相続税が2年やって受からなかったというのが大きいです。できれば半分以下で済ませたかったです。
2. スタディングの合格実績
スタディングの合格者の声から私が集計しました。合格しても報告していない人もいると思いますが、簡単な報告でも1万円もらえるそうなのでほとんどの人が報告していると思われます。
消費税
|
2023年 |
2022年 |
2021年 |
2020年 |
スタディング合格者数 |
8 |
12 |
4 |
0 |
合格者数 |
802 |
740 |
726 |
782 |
シェア |
0.9% |
1.6% |
0.5% |
0% |
|
2023年 |
2022年 |
2021年 |
2020年 |
スタディング合格者数 |
12 |
7 |
4 |
0 |
合格者数 |
497 |
425 |
453 |
588 |
シェア |
2.4% |
1.6% |
0.8% |
0% |
|
2023年 |
2022年 |
2021年 |
2020年 |
スタディング合格者数 |
6 |
5 |
2 |
2 |
合格者数 |
282 |
336 |
325 |
264 |
シェア |
2.1% |
1.4% |
0.6% |
0.7% |
|
2023年 |
2022年 |
2021年 |
2020年 |
スタディング合格者数 |
9 |
4 |
6 |
4 |
合格者数 |
228 |
235 |
234 |
198 |
シェア |
3.9% |
1.7% |
2.5% |
2.0% |
税理士試験 合格者の声 - スマホで学べるスタディング税理士講座
税法も簿財と同様、スタディングのみの受講であるか、また、1年で合格したかは分かりません。
こちらの記事でも書いていますが、簿財>消費税>法人税>相続税>国税徴収法>所得税の順で受験生が多くなっています。スタディングは受験生の多い順に税法の講座を提供しているようです。
税法は簿財に比べて厳しい結果となっています。10人を超えたのが2023年の法人税と2022年の消費税のみです。シェアも5%からも遠く低迷しています。
3. スタディングでの税法学習スタイル
スタディングでの税法学習スタイルは簿財とほとんど変わらないようです。スマホでの学習が最適化されており、①講義視聴(320回)、②スマート問題集での復習(320回)、③トレーニング、④テーマ別演習、⑤実力テスト(2か月に1度)、直前期の⑥答練(簿財それぞれ6回+過去問3年分)、理論は理論暗記ツール、理論暗記音声、理論記述練習で学習するようです。計算がない国税徴収法のみ④テーマ別演習がありません。
費用はアドバンスコースが全科目同一価格で63,800円、冊子オプションは消費税法、法人税法、相続税法が19,800円、国税徴収法が14,800円となっています。やはり格安です。
4. 合格者が伸びていない要因
スタディングの税法の合格者が伸びていない要因を私なりに考察してみたいと思います。
(1) 受講者数
まず考えられるのが、受講者数が少ないのではないかということです。税理士試験は上位10-15%が合格する難関試験なので、そもそも講座の受講数が少なければ合格者を多数輩出することができません。簿財は一般的に税理士試験の最初に受ける科目なので受講生を集めやすいです。税法は一般的に簿財の後に受ける科目なのでそもそも受講生の確保が難しいと思います。
(2) 教材・カリキュラム
前述の通り、スタディングでは税法も簿財も学習のスタイルや講義・演習の数は変わりません。私の経験から、税法は簿財に合格した上位1割の中からさらに上位1割に入る必要があるので、学習の質・量をもう一段レベルアップする必要があります。この点を十分考慮したものとなっているかどうか見極める必要があります。
(3) 計算
計算については、前回の記事でも演習不足の懸念を書きました。簿財の場合、市販の問題集もそれなりに出ていますが、税法の計算問題集はあまり出ていません。また、法令の改正が頻繁にあり計算にも影響します。法令改正の対応した計算問題については予備校頼りになります。前回の記事でも書きましたが、Tでは講義で解説する答練のほか、補助問題やトレーニングの中に総合問題があります。私の記録に残っているものでは、Tの相続税の上級では答練の他に補助問題(総合問題)が9つ配られました。合格レベルの人たちは、これらも当然全てマスターして試験に臨みます。税法でもスタディングの問題演習量で十分かどうか問題となります。
(4) 理論
理論については、財務諸表論では理論暗記ツールの評判がいいです。穴埋め問題や選択式問題も多く出題される財務諸表論には適していると思います。一方で、文章での暗記が求められる税法では、空欄補充方式の理論暗記ツールの効果が薄いかもしれません。キーワードの暗記ではべた書きに対応できません。事例問題もべた書きができることを前提とした事例の当てはめとなります。理論の学習方法が税法に合っているものかが需要となります。
5. 私の推奨
以上を踏まえると、私は税法についてはスタディングの使用は様子見となります。まだ実績が乏しく、十分なノウハウが蓄積されているようには見えません。
2022年、2023年でスタディングの簿財合格者が増加しました。おそらくこの2年間にスタディングで簿財の両方に合格した人が700人程度はいます。合格した人達の多くは税法に進みスタディングの税法の受講者数が増加することが見込まれます。簿財の合格者がスタディングを活用して税法に合格できるかどうかがカギとなります。全体の受験者数からも消費税・法人税を選択する受験生が多いと見込まれます。消費税と法人税合わせて50人程度の合格者が出てくれば、スタディングの税法学習法が良いことの証となりそうです。特に、法人税より分量の少ない消費税の合格者数がカギとなるのではないかと思います。(私がスタディングの人だったら、簿財の合格者にスタディングでの消費税の受講を勧めます。その方が税法での実績が早く作れそうです。)
今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。