T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済み。その他キャリアや英語学習の情報も発信しています。

税法1つ目の選択

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

2024年の税理士試験が8/6~8に実施されました。受験された皆様お疲れ様でした。自己採点も終わり、次の科目の選択に頭を悩ませている受験生が多いと思います。今回は、税法1つ目について私の考えを書きたいと思います。

 

科目選択については以前にもこちらの記事で書いています。こちらの記事で税理士試験は最初の2年が重要ということを書きました。1年目は簿財を受験することを前提とし、今がまさに2年目に向け1つ目の税法を選択するときです。官報合格までの長期計画見据えた科目選択が必要となります。

 

1. 1つ目の税法選択に考慮すべき要素

1つ目の税法選択に考慮すべき要素はいくつかあります。

 

(1) 2年目・3年目の目標

税理士試験は最初の2年が重要という記事でも書いた通り、2年もしくは3年で簿財+税法1科目というのが目標となります。

 

(2) ミニ税法は避ける

私は、ミニ税法はいくつか特殊なケースを除いて選択すべきではないと思います。特に必要な学習時間が少ないからといって1科目目からミニ税法を選択するのは避けるべきです。ミニ税法は税法合格経験者が多く受験生のレベルが高いです。本番の試験でも得点のばらつきが少ないなかで高得点勝負となりやすく、運の占める割合が多くなります。自分の相対的な位置も分かりづらいです。1科目目では相対的な位置関係が分かりやすく、実力と試験結果が比例しやすい科目を選択すべきです。官報合格者のYoutubeやブログなどを見ても、法人税所得税は1-2年で合格している人でも、ミニ税法には合格まで3年以上かかっているケースも散見されます。(ミニ税法についてはまた別の機会に記事を書きたいと思います。なお、Tの資料でもOの資料でも消費税はミニ税法に含まれないようです。)

 

(3) 学習時間の確保と簿財の出来

税法は科目によって必要な学習時間は異なります。

1年目の簿財の出来によって考え方が異なります。簿財が両方とも厳しめの自己採点でボーダーを超えていて、学習時間が取れそうであれば法人税または所得税を選択するのが良いと思います。相続税は、法人税または所得税の合格者が多数受験するレベルの高い科目なので1科目目は避けた方がいいでしょう。法人税/所得税という必修科目を含めて、2年で3科目合格というベストの結果を目指しましょう。

消費税に全力を投入して1年で何としても合格するというのも良い戦略です。そうすると法人税所得税という必修科目は残るものの、2年で3科目合格という結果は非常に順調です。

簿財のどちらかが残る場合には、消費税を選択するのが無難です。消費税であれば、簿財のどちらかと消費税で、2年で3科目合格の可能性も残ります。

そもそも働きながら1年で法人税または所得税に合格するのが難しいことを考えると、2年での合格も考えて(※)法人税または所得税を選択し、最難関科目に早めに挑戦するのも悪くないです。社会人が複数科目を学習するのは難しいですが、例え2年目では法人税/所得税の合格はできていなくても、3年目で合格できれば3年で簿財+法人税または所得税となり5年での官報合格が見えてきます。

(※)1年で合格するために全力で学習したものの、結果的に1年目では合格できずに2年目での合格となるもので、最初から1年目は諦めて2年目での合格を目指すものではないです。

 

(4) 適性・必要な学習時間は事前には分からない

税法の計算は、簿財で計算は経験済みなので質も量も想像外ということはないと思います。理論は、財務諸表論の理論とはレベルが異なります。税法は初学となるので、事前には理論暗記がいかに大変か、理論にどの程度適性があるのかは分かりません。理論と計算の配分も手探りとなります。

 

(5) 推奨科目

以上をまとめると、1つ目の税法は、法人税所得税または消費税のいずれかを選択するのが良いと思います。法人税または所得税を1つ目にすべきか、消費税にすべきか、どちらを先にするかは一長一短あって結果論でしか分かりません。予備校の学習時間の目安や理論の暗記題数を見ても、消費税の分量は法人税/所得税の半分といったところでしょう。税法初学ということでまずは標準的な分量・内容で受験者・初学者がに多く、比較的合格しやすい消費税を選択するもの良いと思います。また、いずれ選択する必要がある法人税または所得税をモチベーションが高いうちに学習するのも良いと思います。消費税を1年、法人税所得税を2年以内に合格できれば成功と言えると思いますが、こればかりは結果からしか分かりません。

 

(6) 私の1つ目の税法選択

私はこちらでも記載した通り、1年目は簿記論がボーダー以下、財務諸表論が確実以上という自己採点で、1つ目の税法に法人税を選択しました。1年目は自己採点どおり簿記論不合格で財務諸表論には合格しました。2年目は簿記論にそれなりに時間を割く必要があり、法人税はA(50-59点)で不合格でした。3年目は法人税と消費税を学習しました。法人税の学習に時間をとられ消費税はあまり精度が高まりませんでした。結果、法人税は合格したものの消費税は不合格でした。

今になって振り返ると、1つ目の税法は消費税であったら2年目に消費税合格、3年目に法人税が1年で合格していたかもしれません。一方で、消費税は法人税の後に学習したので特に学習が楽に感じた面もあり、消費税が法人税より分量が少ないからといって、税法1科目で1年で合格できたかどうかは分かりません。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです