T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済み。その他キャリアや英語学習の情報も発信しています。

財務諸表論はリトマス試験紙

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

23年の合格発表について前回記事を書きました。これまでの財務諸表論の合格率や試験問題を見て、改めて財務諸表論は税理士試験の適性を測るリトマス試験紙だと思いを強めました。

税理士試験の制度や試験問題の問題点については何度も書いてきました。今回の記事は、あくまで税理士試験の適性を判断するもので、税理士としての適性があるかどうかとは一切関係ないことをご承知ください。

 

財務諸表論の特性として以下が挙げられます。

・理論と計算があること

・理論暗記が必要となるものの高精度の暗記でなくとも合格が可能であること

・計算問題のレベルが安定していて高得点が狙えること

・受験数が多いこと

・合格率が比較的高く合格者数が多いこと

・初学者が多く受験生のレベルが高くないこと

 

財務諸表論は税法と試験形式が似ているものの、受験生のレベルが高くなく合格しやすい科目であると言えます。財務諸表論の合格に長期間が掛かるのであれば、税法に合格するのにはさらに時間が掛かると予想されます。

財務諸表論を2年以内に合格することが出来なければ、税法に(遅くとも2年以内に)合格することは困難であると考えられます。税理士試験への適性がないと判断し試験からの撤退をお勧めします。

私は税理士試験合格までに長い年月を掛けるのは人生設計として好ましくないと考えます。人生の時間は有限です。適性のあることに時間を費やすべきだと思います。多くの受験生は受験を開始した時には、5年程度で5科目合格、または3科目+院免という計画を立てていると思います。それ以上の時間を掛けるのは人生の貴重な時間を無駄にしていると思います。財務諸表論に2年で合格できないのであれば、税理士試験自体には適性がないと見切りをつけ、適性のあるものにシフトすべきです。税理士以外にも適性、やりがい、お金を稼げる仕事はいくらでもあるはずです。こちらの記事でも書きましたが、たとえ最終的に官報合格となっても私のように合格までの年数はキャリアに影響します。

税理士試験の撤退ポイントについてはこちらにも記載しています。財務諸表論を2年以内に合格できなかった場合には、税理士試験から撤退した方が良いのではないかと私は思います。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。

カランメソッドStage5終了

こんにちは、T-アレックスです。

 

今回は英語学習の進捗についての記事になります。7月末にカランメソッドの受講を開始しました。Stage2は8月末に完了Stage3は9月下旬に完了Stage4は10月末に完了しています。Stage5を完了したので記録を兼ねた記事を書きたいと思います。

 

1. 受講回数と時間

Stage5は50回で完了。受講時間は20時間50分、受講期間は30日でした。基本的に毎日1コマ受講し、週末は1日4レッスン受講しました。Stage4と同じペースです。
QQEnglishの「よくある質問」にあるStage5完了までのレッスン数の目安は50回となっています。目安通りのレッスン回数となりました。

 

2. 受講スタイル

Stage2~4と特に受講スタイルは変えていません。単語のみ事前にテキストで確認しそれ以外の予習はしていません。New Wordはレッスンでの聞き取りに集中しています。復習は1レッスンあたり30分でレッスン前に行っています。1レッスンあたり復習とレッスンで1時間かけています。カランメソッドでは1日2レッスン(50分)の受講が推奨されていますが、平日に仕事をしながら毎日2時間カランメソッドのみを学習するのはなかなか厳しいです。時間的な制約もありますがカラン以外の英語学習もしたいからです。

 

3. カラン以外の英語学習

カラン以外の学習はStage2~4の時と同様にELSA Speakでの発音練習とYoutubeの英語学習動画を見てスクリプトに合わせてオーバーラッピングをやっています。

 

4. 効果と感想

Stage5になると長い文章が増えてくるので、New Workで先生の長い説明を聞いて覚えて、質問にフルセンテンスで解答するのは難しいです。先生の解答を繰り返すのみになってしまいます。復習をしっかりすればDaily Revisionではきちんと解答できます。

難易度としては時々普段使わない単語が出てくることがありますが、文法も単語も特に分からないというものはありません。

4カ月カランメソッドを受講していますが、未だに仕事での会話では大きな効果を感じられないのがつらいです。相手の言っていることが瞬時には理解できない、自分の言いたいことが言えず何度か言い直さないと伝わらないなど、まだまだ円滑なコミュニケーションができるというレベルになっていません。

カランメソッド経験者のブログなどを見るとStage5,6あたりがもっともつらい時期のようです。カランメソッド自体が反復練習により英語脳・瞬発力を鍛えるもので、レッスンそのものは単調と言わざるを得ません。数か月かなりの時間を費やしてレッスンを受けているものの大きな効果を感じられないので、モチベーションの維持が難しくなるようです。12月は忘年会や帰国などがあってペースが落ちるので1月中にStage6を完了し、来年3月末までのStage8の完了を目指して頑張りたいと思います。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。

23年度の税理士試験の結果発表の感想

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

11月30日に2023年の税理士試験の結果が発表されました。合格された方はおめでとうございます。

 

国税庁のサイトはこちら

 

今年は試験結果が前日に届いたりしていたようですね。前日に届いたら間違えかと思ってびっくりするでしょう。

税理士試験結果通知書等が合格発表日前日に受験者に届いた件について(令和5年11月30日)|国税庁

科目合格者も早くWebで発表してくれないですかね。

 

今年度の受験者、合格者と合格率の推移はこちら

今年の注目は受験資格が緩和された簿記論と財務諸表論でした。簿記論の合格率は17.4%で平年並み、財務諸表論の合格率は28.1%とH27(2015年)以降で2番目の高さでした。

簿記論、財務諸表論の合格者を増やそうという国税庁の意図が明確になりました合格者の絶対数が増えるということは、これまでより合格しやすくなっていることを意味します。

今年は特に財務諸表論がボーナス年でした。簿記論は前年の合格率が23%と高かったこともあり今年の合格者数は減少していますが、財務諸表論は2,224人も増えています。合格率が29.6%と高かったH29(2017年)の3,081人と比べても645人合格者が多いです。

こちらでも記載していますが、今年の財務諸表論の試験問題は良問だったと思います。

今年の問題と合格率を考えると2年目以降の受験生が不合格となっている場合、かなり危機的な状況ではないかと思います私は財務諸表論が税理士試験への適性(税理士の適性ではなく)を測るものと考えています。この点については、いつか別の記事で書きたいと思います。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。

カランメソッドStage4終了

こんにちは、T-アレックスです。

 

今回は英語学習の進捗についての記事になります。7月末にカランメソッドの受講を開始しました。Stage2は8月末に完了Stage3は9月下旬に完了しています。Stage4を完了したので記録を兼ねた記事を書きたいと思います。

 

1. 受講回数と時間

Stage4は40回で完了。その後Stage1-4の総復習(Full Book Revision)17回とGrammar Questionsが1回の合計58回(24時間10分)でした。受講期間は36日です。基本的に毎日1コマ受講し、週末は1日4レッスン受講しました。Stage3より週末のレッスンを1日1コマ増やしています。
QQEnglishの「よくある質問」にあるStage4完了までのレッスン数の目安50回となっています。

qqeng-faq.dga.jp

25分のレッスンのうち10分程度が前回の復習(Daily Revision)で、ReadingやDictationも3レッスンでそれぞれ1回程度入ります。ReadingとDictationは10分程度掛かります。つまり、New Wordを学習する時間は、ReadingとDictationがなければ15分、ReadingかDictationがあれば5分となります。Stage4では1レッスンあたり2.60ページ進んでいました。Full Book RevisionはStage1-3が1レッスン20ページ程度、Stage4は1レッスン15ページ程度進んでいました。

時々先生からレッスンのフィードバックがあり、何人かの先生から早く解答できていると言われるのでレッスンの進捗が遅い方ではないと思います。50回ではStage4は完了しないと思います。Stage4はFull Book RevisionとGrammar Questionsを含めると55-60回はレッスンの受講が必要と思います。

 

2. 受講スタイル

Stage2、3と特に受講スタイルは変えていません。単語のみ事前にテキストで確認しそれ以外の予習はしていません。New Wordはレッスンでの聞き取りに集中しています。復習は1レッスンあたり30分でレッスン前に行っています。1レッスンあたり復習とレッスンで1時間かけています。カランメソッドでは1日2レッスン(50分)の受講が推奨されていますが、平日に仕事をしながら毎日2時間カランメソッドのみを学習するのはなかなか厳しいです。時間的な制約もありますがカラン以外の英語学習もしたいからです。

学習のペースはStage2、3より早めています。カランの慣れてきたというのもありますが、カランメソッドが短期間で集中しての学習を推奨しているように、私も早く英語脳と瞬発力を高めたいと考えています。1か月で30回分のレッスンが受講できますが、追加でポイントを購入してレッスンを受けています。1レッスン(25分)あたりのレッスン料は450円程度と社会人にとっては高くないです。ポイントを購入せずに英語が上達するまでの期間が長くなって月会費を多く払うことになるより追加購入してどんどんレッスンを受講した方が結果的にはコスト的にも得なのではないかと思います。

 

3. カラン以外の英語学習

カラン以外の学習はStage2、3の時と同様にELSA Speakでの発音練習とYoutubeの英語学習動画を見てスクリプトに合わせてオーバーラッピングをやっています。こちらも特に変更ありません。

 

4. 効果と感想

今のところ大きな効果は感じていませんが、日々のレッスンでの素早く話す訓練の効果が徐々に出てきているような気がします。カランメソッドでは基本的な構文を反復練習で繰り返すので、レッスンで学んだ構文は口から出やすくなっているのかもしれません。

発音もかなり意識しており、ELSA Speakで練習している正しい発音で話すよう心がけています。特に子音や語尾の音が弱くならないように気を付けています。Readingのレッスンでは文章を間違えずにしっかり読めておりスピードや発音もまずまずとのフィードバックをもらうこともあります。ただし、LとRの発音などいくつかの発音はまだ上手くできていないと言われたりします。また、私は今ロンドンに住んでいるので、British Accentだねとも言われこともあります。

Stage5、6に進むにつれレッスンで出てくる単語、熟語、構文が増えてくるので、しっかり体に覚えこませて会話で使えるようにしたいと思います。

まずは年内にStage5の完了を目指して頑張りたいと思います。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。

カランメソッドStage3終了

こんにちは、T-アレックスです。

 

今回は英語学習の進捗についての記事になります。7月末にカランメソッドの受講を開始しました。Stage2は8月末に完了しています。Stage3を完了したので記録を兼ねた記事を書きたいと思います。

 

1. 受講回数と時間

Stage3は総復習(Full revision)がなく、完了までのレッスンが35回(14時間35分)でした。受講期間は26日です。基本的に毎日1コマ受講し、週末は1日2~3レッスン受講しました。早く英語脳と瞬発力を高めたいのでStage2より受講頻度を上げています。

QQEnglishの「よくある質問」にあるStage2完了までのレッスン数の目安が35回なので標準的なのだと思います。

qqeng-faq.dga.jp

 

2. 受講スタイル

Stage2と特に受講スタイルは変えていません。単語のみ事前にテキストで確認しそれ以外の予習はしていません。New Wordはレッスンでの聞き取りに集中しています。復習は1レッスンあたり30分でレッスン前に行っています。1レッスンあたり復習とレッスンで1時間かけています。カランメソッドでは1日2レッスン(50分)の受講が推奨されていますが、平日に仕事をしながら毎日2時間カランメソッドのみを学習するのはなかなか厳しいです。時間的な制約もありますがカラン以外の英語学習もしたいからです。

学習のペースはStage2より早めています。カランの慣れてきたというのもありますが、カランメソッドが短期間で集中しての学習を推奨しているように、私も早く英語脳と瞬発力を高めたいと考えているからです。私は1か月で30回分のレッスンが受講できるプランを申し込んでいます。これに加えて、追加でポイントを購入してレッスンを受けています。1レッスン(25分)あたりのレッスン料は450円程度と社会人にとっては高くないです。ポイントを購入せずに英語が上達するまでの期間が長くなって月会費を多く払うことになるより、ポイントを追加購入してどんどんレッスンを受講した方が結果的にはコスト的にも得なのではないかと思います。

また、スピードに加え、発音やイントネーション、ストレスにも気を付けています。リーディングは意味がないと感じる人も多いようですが、きちんとした発音やイントネーションが英語でコミュニケーションする上で重要だと感じています。そうでないとなかなか言っていることが通じなかったり、聞き返されたりします。仕事ではスクリプトを準備して会議に臨むことも多いのでその練習と位置付けています。

 

3. カラン以外の英語学習

カラン以外の学習はStage2の時と同様に、ELSA Speakでの発音練習とYoutubeの英語学習動画を見てスクリプトに合わせてオーバーラッピングをやっています。

 

4. 効果と感想

今のところ大きな効果は感じていませんが、何となく口が回るようになってきたような気がします。冠詞、前置詞、単数形複数形などは聞き逃すことも多いですが、動詞(三単現のs)などの言い間違いは減ってきているような気がします。まずは年内にStage5の完了を目指して頑張りたいと思います。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。

税理士試験の良くなっている点と今後の改善点

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

前回の記事で税理士士試験がここ数年で色々改善さてきていると書きました。どんな点が改善されて、どんな点がまだ改善が必要か書きたいと思います。

 

1. 改善された点

内容

得点発表

第68回

2018

試験問題及び答案用紙公表

第69回

2019

出題のポイント公表1か月短縮

第73回

2023

合格発表2週間短縮

第73回

2023

 

(1) 得点発表

2017年までは合格点に達しなかった科目はA~D(A:59~50点、B:49-~40点、C:39~30点、D:29点)のランクが通知されていました。2018年から得点が発表されるようになりました。模範解答や採点基準は公表されていないので、ランクから得点への変更だけではあまり実質的な改善とは言えませんが、役所が長年の慣習を変更したという意味で進歩と思います。

(2) 試験問題及び答案用紙

2019年から試験問題及び答案用紙が国税庁のサイトで公表されるようになりました。試験問題は受験生が持ち帰ることができます。TOEICのように試験問題を回収するような試験ではないので、特に秘密にするようなものではないと思います。誰でも簡単にウェッブ上で試験問題及び答案用紙が取得できるようになったのは小さな進歩と思います。

(3) 出題のポイント

2022年までは出題のポイントが試験から2か月後の10月初旬に公表されていました。2023年は9月1日に公表されました。出題のポイントは受験生にとっては有益な情報で、試験からあまり間が空かずに公表されるようになったのは良いことだと思います。出題のポイントは問題を作成するときにはできていて、試験後すぐに公表することも可能のはずです。昨年のように問題の不備が試験後に発覚すると出題のポイントの記載を修正する必要があるので、予備校の解答や受験生の反応を見てから公表したいのだと想像します。今年より早く公表するのは難しいのではないかと思います。

(4) 合格発表

2022年までは合格発表が12月の第2金曜日でした。今年は11月30日(木)と2週間早まりました。税理士試験は試験から合格発表までの長さが問題でしたので、2週間とはいえ短縮されたのは良いことと思います。

 

2. 今後改善してほしい点

税理士試験の問題点についてはこちらの記事でも書いていますが。今回改めて私の意見をまとめてみました。

ここが変だよ税理士試験(試験全般編) - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

ここが変だよ税理士試験(計算問題編) - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

ここが変だよ税理士試験(理論問題編) - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

(1) 合格発表のさらなる短縮

昨年までは試験から合格発表まで4か月かかっていました。2023年から2週間短縮されましたがそれでも3か月半あります。税理士試験の場合、同じ科目を学習するのか次の科目に進むかどうかが受験生にとって大きな問題です。翌年に向けた学習計画を早めに作り、無駄な予備校費用の支払いを避けるために合格発表までの期間さらなる短縮が求められます。記述式の試験なので採点に時間がかかることは理解しますが、もう1か月は短縮し10月末には結果が出たら受験生にとって良いと思います。

(2) 科目合格者のネットでの発表

官報合格者は官報に受験番号が掲載される(注:今年から氏名は掲載されません。)ので合格発表日に結果を知ることができます。一方、科目合格者は通知が郵送されてくるのを待つ必要があります。この待ち時間は無駄で何の意味もありません。受験生が結果待ちでいらいらするだけです。番号をウェブで公表するだけであれば科目合格者でも容易なので出来ない理由は見当たりません。今年からでも科目合格者もウェブで発表すべきです。

(3) 模範解答の公表

出題のポイントは公表されていますが、大まかな記載にとどまっています。計算では別解があることもありますので、模範解答の公表が望まれます。

(4) 絶対評価への変更

税理士試験は60点を取得すれば合格することとなっていますが、実際には得点調整により各科目合格率が10-15%程度に調整されていることは明らかです。

資格試験は税理士に限らず、その資格を有するために十分は知識を持っているのであれば資格を与えるべきです。この点、無制限に受け入れるわけにはいかず相対試験にせざるを得ない学校の入学試験や入社試験とは決定的に異なります。絶対評価の試験とすることが資格試験として正しい姿と私は思います。資格取得はスタートラインで、人数調整は資格試験で行われるべきものではなく、仕事を通じて市場原理によりなされるべきものです。

(5) 試験の年2回実施

1年に1回しか試験がないというのは受験生にかなり負担で、長期化の大きな要因となっています。年2回試験があれば短期間での合格の可能性が高まります。5科目トータルとなるとこのロスは数年分となります。受験勉強に年月をかけすぎないようにするために年2回の試験実施が望ましいと思います。

(6) 法規集の持ち込み

税法では法規集の持ち込みを許可すべきです。法律をまとめただけのいわゆるべた書きの暗記は意味がありません。法規集を持ち込み可にして法律をいかに運用できるかの試験とすべきです。そのような問題が作れないのであれば試験委員の能力がないかその科目が試験にふさわしくないかのどちらかと思います。

(7) 一部科目の廃止

相対評価を継続するのであれば、予備校の予想配点で90点以上が合格果実となるような一部のミニ税法は試験から廃止すべきです。結局、試験範囲が狭く応用の余地が少ないため相対試験の科目としては不適切です。

(8) 試験時間と分量の調整

こちらの記事でも書きましたが、現状の試験内容では問題の取捨選択や時間配分が合否に大きな影響を与えます。上位者合格者であれば全部の問題を解答しきれるように試験時間を長くするか、分量を調整して2時間で解ききれる問題にすべきと思います。税理士としての能力や適性と無関係な取捨選択や時間配分で合否が決まるのは資格試験として不適切です。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。

第73回税理士試験出題のポイント発表

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

第73回税理士試験出題のポイントが発表されました。

令和5年度(第73回)税理士試験出題のポイント|国税庁

 

昨年までは10月初旬に発表されていましたが、今年は9月1日なのでだいぶ早くなりました。出題者は出題のポイントを決めてから試験問題を作成しているはずなので、これまで「出題のポイント」の公表までに2か月もかかっているのが不思議でした。税理士試験もここ数年で色々と改善されてきています。この点については別途記事を書きたいと思います。

昨年にこちらの記事でも書きましたが、出題のポイント」は出題者からのメッセージですので良く読んで今後の学習に役立てることをお勧めします。特に、2年目以降の科目は「出題のポイント」と実際の本番での解答を照らし合わせて何が足りなかった、解答がずれていなかったかを確認し、これらを意識して再度学習するのが合格への近道と思います。試験から1か月経たないうちに「出題のポイント」されたというは大きな改善点と思います。

 

1. 簿記論

今回の出題のポイントの中でちょっと面白いと感じたのは簿記論の出題のポイントです。計算問題は出題のポイントの記載が簡潔であることが多いのですが、昨年、今年と簿記論の第一問と第二問の記載が充実しています。第一問の問1で特殊仕訳帳という少し古い論点が出題されていますが、出題のポイントでは「(1)は精算勘定を知っていれば比較的簡単に仕訳を行うことができるが、精算勘定を知らなくても、「手形仕入」と「手形売上」の例がヒントとして示しているので、簿記に精通している者であれば、その場で理解し十分に解答できる内容となっている。また(2)については、通常の方法で仕訳を行い二重仕訳の消去処理を適切に行えれば、精算勘定を知らなくても(用いなくても)、残高試算表を導くことができ、正答を導出できるようになっている。」となっています。

出題者は受験生の多くが「精算勘定」の知識が不十分であるという実態を理解したうえで、簿記の知識や応用力を測るためにこのような問題を出題したということです試験で知らない事項が出題されたとしても、知っている知識を活用して解答することが求められています。このような点を頭に入れて学習する必要があるでしょう。

 

2. 財務諸表論

財務諸表論の理論の「出題のポイント」はあっさりしていますが、企業会計基準などに結論の背景が十分に記載されていますのでそれと同じということなのでしょう。こちらの記事でも書いていますが、企業会計基準や概念フレームワークは一度目を通して結論の背景を理解しておくのは有益と思います。

 

3. 税法

税法の理論の「出題のポイント」は全体的にそれなりの量の記載があってポイントが明確になっているように思います。「改正論点」、「実務での重要性」、「コロナを含む災害関連」が共通したキーワードと出てきています。これらは近年共通の傾向のようです。来年以降もこの傾向は継続すると思われますので、これらを意識した理論学習が重要となります。

 

今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。