こんにちは、T-アレックスです。
このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。
今回は税理士試験では長期計画が重要というお話をしようと思います。税理士試験は5科目合格にしろ院免にしろ最終的に資格が取得出来て初めて意味を持ちます。科目合格はほとんど価値がありません。社会人が働きながら税理士試験に合格するには数年間は最低必要です。仕事での数年単位のプロジェクトと似ていると思います。仕事と同様に最終的なゴールや達成期限、中間目標、それに至る手段など、受験開始から全科目合格(院免を含む)までの全体を通して学習計画を立てることが重要となります。もちろん税理士試験の受験は初めていなのでどのくらいの学習量が必要であるか予め予測するのは難しい面もあります。しかしながら、ウエッブ上には受験情報が沢山ありますので調べればおおよその検討はつくと思います。
1. ゴールの設定
最初にすべきことはゴールの設定です。5科目合格を目指すのか、3科目+院免を目指すのか。後から院免に切り替えることは可能ですが、その場合費用と大学院通学・論文作成の時間確保ができるかは考える必要があります。
2. 期間と中間目標の設定
5科目合格か院免かが決まったら次にそれを何年で達成するか、その中間目標を含めて考えます。
(1)5科目合格の場合
1年目:簿記論+財務諸表論
2年目:税法1
3年目:税法2
4年目:税法3
というのが5科目合格の理想的な長期計画となるでしょう。
(2)院免の場合
1年目:簿記論+財務諸表論
2年目:税法1
3年目:大学院
4年目:大学院
というのが院免の理想的な長期計画となるでしょう。
最初の科目を税法とする受験生もいるとは思いますが、私はあまりお勧めしません。簿記論と財務諸表論はいずれにしても合格する必要があり、受験生のレベルも高くないので税理士試験に慣れるという意味でも最初に受験することをお勧めします。
3. 1年目の手段の設定
ゴールまでの期間と中間目標を設定しましたので、次に1年目にどのように学習するかを考えます。1年で簿記論と財務諸表論に合格することが目標ですので、両科目とも9月から予備校の授業を受けることをお勧めします。こちらやこちらの記事でも書きましたが、独学はおすすめしません。税理士試験は量が多く内容も難しいですが、学習方法は確率しています。素直に予備校のノウハウをお金で買いましょう。自分で学習カリキュラムを一から組み立てるのは非効率です。こちらの記事でも書きましたが、特に簿記論は演習量を重視して予備校を選んだ方が良いと思います。財務諸表論は本番の試験では計算重視となりますが簿記論でカバーできるので、理論の解説が分かりやすければどこでもいいと思います。ただ、理論の学習は初めてで理論への適性(どのくらい暗記が得意かなど)は分かりませんので、9月から学習を開始することをお勧めします。こちらの記事でも書きましたが、税理士試験は最初の1-2年が本当に重要です。
1年間どのようなペースで学習を進めていくかはこちらの記事もご参照ください。
4. 目標と手段の修正
(1) 本試験後
8月本試験の手応えによって目標を修正するか、今後どのような学習計画とするかを考えます。簿記論と財務諸表論がともに確実付近まで届いていれば、当初の計画通り一つ目の税法に進めばいいと思います。また、どちらかの科目が確実付近にまで来ていれば、大きな計画修正は必要なく、税法に進んで2年で3科目の合格を目指しましょう。
どちらもボーダー付近となるとかなり厳しいですが、まずは税法に進んで合格発表を待ちましょう。
本試験後の税法科目の選択については、こちらの記事をご参照ください。
(2) 合格発表後
1年目の合格発表が自分の予想通りであればそのまま学習を続け、できれば2年で簿記論、財務諸表論+税法1科目までは合格したいです。繰り返しになりますが、本当に最初の2年が重要です。
(3) 2年目以降
2年目以降は学習中の科目に集中して、遅くとも1科目2年以内に合格しなければなりません。簿記論、財務諸表論+税法1科目に合格しているのであれば、大学院に通うお金と時間があるのであれば院免を考えてもいいと思います。私は大学院に通っていないので詳しいことは書けませんが、資格を取得してしまえば5科目合格か院免かは仕事では関係ないはずです。せいぜい内輪の話のネタぐらいです。とにかくいかに早く資格を取得するかどうかに集中すべきです。簿記論、財務諸表論+税法1科目に合格しているのであれば、税理士試験への適性はあるはずです。後は、慢心せず強い気持ちで最後までやり抜く覚悟が重要です。こちらの記事で私の受験履歴を書いていますが、私が5科目目の合格に時間が掛かったのは、税法2科目合格していることから来る慢心と絶対受かるという気持ちが弱かったことが原因だったと思います。最後に合格したのはコロナを機に絶対5科目揃えるという強い気持ちで勉強したからだと思います。最後の科目は国税徴収法と国税三法に比べれば大分分量の少ない科目でしたが、きちんと9月から予備校の講義を受講し、理論も計算(配当問題)も妥協せずに学習した結果合格につながったと思います。
今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。