こんにちは、T-アレックスです。
このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。
税理士試験をスタディングで学習することについて、YouTubeなどでいくつか記事を見たので私の感想を書きたいと思います。今回は簿記論と財務諸表論について書きます。
1. 記事の前提
記事を書くにあたり私の立ち位置を明確にしておきたいと思います。
- この記事はプロモーションではありません。読んだ人がスタディングを受講しようがしまいが私には一切の金銭的なメリットはありません。
- 私が簿財を学習した時にはスタディングはまだサービスを開始していませんでした。
- 私はスタディングの講座を受講したわけではありません。公式サイトや合格者の声、YouTube、ブログなどを参考にした個人的な見解です。
- 私の簿財の学習履歴は、以下のとおりとなります。
年数
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科目
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学習方法
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受講料
(2024年現在)
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結果
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1
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簿記論
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独学
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-
|
×
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1
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財務諸表論
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T 1月速習 Web通信
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165,000円
|
〇
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2
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簿記論
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T 直前対策 資料通信
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50,000円
|
〇
|
2年で簿財に合格しており、財表は1月速習、簿記論は2年目の直前対策の資料通信で合格しており費用面で見ても悪くないように見えます。しかしながら、こちらの記事でも書いている通り1年目で簿財を同時合格できなかったことが長期化の要因の一つとなっており、予備校に通うべきだったと今になっては思います。
この辺りは、こちらの記事も参考にしてください。
税理士試験の予備校選択のポイント - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税理士試験の科目別学習ポイント(簿記論編) - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税理士試験の科目別学習ポイント(財務諸表論編) - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
独学自体に価値はない - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税理士試験の複数科目の勉強について - T-アレックスの社会人のための税理士試験講座
税法科目はTのWeb通信を受講したので、私の感想はTのWeb通信との比較となります。
2. スタディングの合格実績
スタディングの合格者の声から私が集計しました。合格しても報告していない人も居ると思いますが、簡単な報告でも1万円もらえるそうなのでほとんどの人が報告していると思われます。
簿記論
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2023年
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2022年
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2021年
|
2020年
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スタディング合格者数
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239
|
189
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76
|
43
|
合格者数
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2,794
|
2,965
|
1,841
|
2,429
|
シェア
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8.5%
|
6.3%
|
4.1%
|
1.7%
|
財務諸表論
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2023年
|
2022年
|
2021年
|
2020年
|
スタディング合格者数
|
359
|
136
|
126
|
39
|
合格者数
|
3,726
|
1,502
|
2,196
|
1,630
|
シェア
|
9.6%
|
9.0%
|
5.7%
|
2.3%
|
簿財同時合格者
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2023年
|
2022年
|
2021年
|
2020年
|
スタディング合格者数
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141
|
87
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56
|
24
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税理士試験 合格者の声 - スマホで学べるスタディング税理士講座
簿財ともに合格者が確実に増加していることが分かります。合格者数は全体の合格率・合格者数に左右されますので、合格者数だけを見てスタディングのおかげかどうかは判断できません。次に、シェア(スタディング合格者数/合格者数)を見てみると、シェアも着実に増加しているようです。簿財ともに1割に迫る勢いです。簿財同時合格者も増加しています。
ただし、スタディングのみの受講であるか、また、1年で合格したかは分かりません。そうとはいえ、簿財に関しては着実に実績を伸ばしていると言えそうです。
3. スタディングの特徴
(1) 簿財同時学習
スタディングでは簿財同時学習が基本のコースのようです。私が調べた限りでは簿記論または財務諸表論単体のコースはないようです。私もこちらの記事で記載している通り簿財の同時には相乗効果があり合計の学習時間を短縮する効果があるので推奨しています。他の予備校や受験経験者も簿財の同時学習は推奨しています。
(2) スマートフォンでの学習の最適化
スタディングでは①講義視聴(320回)、②スマート問題集での復習(320回)、③トレーニング、④テーマ別演習、⑤実力テスト(2か月に1度)、直前期の⑥答練(簿財それぞれ6回+過去問3年分)というサイクルとなっています。理論は理論暗記ツール、理論暗記音声、理論記述練習で学習するようです。
スタディングでは「スキマ時間で合格」というのを税理士試験に限らずどの試験でも前面に押し出しています。できる限りスマートフォンで学習できるよう教材・カリキュラムを最適化しているようです。特に、①の講義は20-30分単位で細かく視聴できるように区切られており、また、テキストを別途開かなくてもスマートフォンのみで視聴できるように工夫されているようです。②の復習までをスマートフォンで完結することで、通勤時間や仕事の休憩時間に1コマ終わらせることが出来るよう工夫がされています。
理論暗記ツールは、理論が穴埋め形式でキーワードが赤色で伏字になっているものです。この理論暗記ツールの評判がかなり良く、理論暗記に効果を発揮しているようです。財務諸表論の理論では、べた書きが要求される税法と異なり、穴埋め問題や選択式問題も多く出題されることから、出題の傾向とも合っているのではないかと思います。
とはいえ、講義視聴は学習の1割程度でスキマ時間のみで学習が完結することはありません。③、④のアウトプットが重要であることは間違いありません。スマートフォンでの学習に過度に期待してはいけません。
TやOでもWeb通信があってスマホで講義を視聴することも可能ですが、スタディングほどスマートフォンでの学習のために最適化はされていないです。スタディングの方が使い勝手が良いのではないかと思います。
(3) 講義の質
講義の質についてはTやOと大きな差はないと思います。合格者の声を見るとスタディングの簿財の講師の中村先生の評判はかなり良いです。一方、TやOもWeb通信の講師はエース級の講師が担当しますので大きな差がないと思います。私はTでいくつもWeb講座を受講しましたがどの講師も授業は分かりやすかったです。
(4) 低価格
スタディングの大きな特徴は他の予備校と比べて圧倒的な低価格にあると言えます。TやOの簿財パックですと383,000円となっています。スタディングでは簿記の基礎ができていることを前提とし直前期まで含めたアドバンスパックが74,800円(2024年8月31日までのキャンペーン価格は71,800円)、冊子オプション29,800円を含めても104,600円(キャンペーン価格101,600円)です。冊子オプションには③トレーニング、④テーマ別演習、⑤実力テストが含まれています。PDFで配信されるので自分で印刷しても良いのですが、かなりの量になるので印刷の手間を考えると購入した方がよさそうです。
税理士講座 - スマホで学べる通信講座で資格を取得 【スタディング】
4. スタディング利用の注意点
(1) 簿財同時学習が前提
スタディングが簿財を一体でコースを設定している以上、簿財を同時に学習・受験することが前提となります。簿財を同時に学習すると簿財合計の学習時間は大幅に短縮できますが、その年の負担は大きくなります。簿財を同時に学習する自信がない人はやめておいた方がよさそうです。
(2) スキマ時間の学習はごく一部
スタディングの広告や合格者の声では「スキマ時間」を強調していますが、スキマ時間の学習は全体の1割にも皆ないです。「スキマ時間」で学習することは良いことですが、しっかりと時間をとって演習に取り組むことが重要です。「スキマ時間」での学習に過度な期待をしないことが肝要です。
(3) 演習不足
スタディングでは合格者の声にもありますがかなりカリキュラムを絞っているため、演習不足に陥る可能性があります。こちらで記載した通り、Tでは基礎から受講した場合、公式サイトでは総合問題の演習がTでは24回、スタディングでは14回となっています。実際には、Tでは補助問題として講義では扱わない総合問題が配布され、また、トレーニングにも制限時間が45-70分の総合問題が相当数含まれています。これを加味するとかなりの数の総合問題型の演習量の差が生じます。市販の問題集やTかOの資料通信などで補う必要があるかもしれません。
5. 2年目
スタディングには簿記と財表を分けたコースはないようです。また、再受講の割引はあるものの、基礎からのコースのみで経験者向けのコースはないようです。
2年目以降の受講はお勧めしません。
6. 私の推奨
以上の分析を踏まえるとスタディングを使用する場合の私が推奨する受講方法は以下の通りです。
アドバンスパックが74,800円(2024年8月31日までのキャンペーン価格は71,800円)と冊子オプション29,800円に加え、TかOの簿記論の直前対策の資料通信(T:50,000円、O:53,000)を受講し合計、154,600円(キャンペーン価格151,600円)(S+T)または157,600円(キャンペーン価格154,600円)(S+O)となります。財務諸表論は簿財の同時学習をしているのであれば追加でTかOの講座を申し込む必要はないのではないかと思います。
スタディングは簿財ともに合格者が100人を超え、同時合格者も100人を超えました。受講者もかなり増加している思われます。こなると、データも集まり精度も高まってくるので好循環に入ったと思います。スタディングの簿財は中村先生がいる限り今後も伸びていきそうです。今後、どのくらい合格者を増やしていくか見ていくのが楽しみです。私も受験生時代にスタディングがあったら受講していたかもしれません。
次は、税法について書きたいと思います。
今回はここまでとなります。参考になればうれしいです。